2023年7月9日20時から、NHK日曜ドラマ『どうする家康』第26話を放送。『どうする家康』第26話のあらすじ・ネタバレ・感想をまとめています。
『どうする家康』第26話あらすじ
『どうする家康』第26話あらすじをご紹介します。

前回がまだの方は『どうする家康』第25話のネタバレ詳細をチェック!
『どうする家康』第26話あらすじ
信長(岡田准一)を恨む様子もなく従順に付き従う家康(松本潤)を理解できず、忠勝(山田裕貴)ら家臣の一部は不満を持っていた。
そんな中、家康は安土へ戻る道中に信長を接待したいと申し出る。家臣団に於愛(広瀬アリス)や茶屋四郎次郎(中村勘九郎)も加わって富士遊覧の饗応が始まるが、気まぐれな信長に振り回され、計画は思うように進まず…。
引用:『どうする家康』公式HP
『どうする家康』第26話ネタバレ
『どうする家康』第26話のネタバレ詳細です。
天正9年。頭を剃ってもらっている家康の元へ遠江と高天神城を取り返すのが目の前だと報告を受けます。ここに籠城している武田軍の岡部元信は降伏する事を決めました。
家臣達はこの申し出を受けましょうと言いますが、家康はこれを拒否。負けを認め命乞いをしている相手にも容赦はしないと家康は答えます。
本多忠勝がこれに反抗しますが、家康は嫌なら帰っていいと冷酷に言いました。皆、殿が変わってしまったと疑念を抱きはじめて来ており本多は信長の犬に成り下がってしまったと言います。
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そして翌年、家康は秀吉と話していました。今、変わった家康に会いたかったと言う秀吉は家康が瀬名と信康を失ってしまった事をどう思っていたのか知りたかったとの事。
しかし信長の事を恨んでなんかいないと言う家康でした。家康は武田軍と最終決戦をつけるために信長の長男である信忠の先導のもと駿河から甲斐へ侵攻。
窮地に陥っている四郎の軍は散り散りになってきており、最後の一兵となっても戦うとの決意を見せます。
四郎討伐を目前にして血気逸る大久保と万千代ですが、家康は「お前たちは連れて行かん」と言い於愛の方を含めある作戦を授けるのでした。
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甲斐の天目山麓では激しい戦闘が行われ、四郎達は落ち延びて行っています。皆に逃げよと言い残し四郎は去り、家康の前には穴山改め梅雪が現れました。
武田の為に、徳川の為にもなにかできる事はと言う事でしたがその時信忠の手により四郎が討たれたという報が入ります。
それを聞き、周囲は自身で討ち取れなかったと悔しそうにしますが仏像の前で静かに手を合わせる家康。
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後日、家康は信長に謁見しました。武田を討ち取った事に礼を言う家康の前に、四郎の首が持ってこられます。
明智の扇動で、この首を好きなようにしてよいと言われる家康ですが恨んではいないと言いました。「恨んでおるのは、別の誰かか」と言う信長。
挑発されたかに見えた家康ですが、そのまま戻る事に。家康達は慌ただしくある準備をしていました。
本多達は何も聞かされていませんでしたが、富士を見たことがないという信長に極上のもてなしをしようと計画していると家康は言います。
本多はそんな家康に明らかに不満を抱きながらその場を離れるのでした。
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そしてその時が来て、富士を見せた家康ですが信長は好かぬとすぐに行こうとします。動揺する家康達ですが、信長はマイペースでその計画を推し進めるのでした。
何とか対応しようとする周囲を尻目に、榊原も本多と同じく瀬名達の事がありながら信長にこんな事をしている家康見たくないと動きません。
しかし於愛の方は、家康がどんな気持ちでこんなことをしているかわかっているのかと強く反論します。
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その後も宴は続き、家康は信長と話し駿河の事に触れました。家康からは、駿河を今川氏真に任せたいと言う提案をします。
元々治めていた氏真に国を返すという事ですが、無能な奴に返したりはしないと言う信長。「ご尤もでございます」とそれを受け入れる家康に更に明智からは伊賀の国の者達を根絶やしにしろと言われました。
それに対し動揺も見せず、一人残らず始末すると答える家康。張り詰めた空気を和ませようとするかの様に於愛の方が笛を吹くと何と家康自身が織田の繁栄を祝う為に、舞を披露すると言いました。
その姿を見つめている本多と榊原。その後、信長と共に馬を走らせたり全力で家康はおもてなしをします。それらの宴を受けて信長から礼を言われ、今度は自分がもてなすとまで言われるのでした。
富士遊覧の旅を大成功で終わらせるも、信長達は腹の中を見せない様になってきた家康を「化けよったな」と評します。
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その夜、服部から報告を受ける家康。信長に恨みを持つ者たちをいつでも動ける様に手懐けておくと言う事でした。秀吉の方もまた、家康に何かを感じ取っている様です。
家康の脳裏には、瀬名とのかつての思い出が甦っていました。すると酒井や本多達皆が現れ、この様な振る舞いを続けるならもうついていけないと言う家臣たちに家康はとうとう頃合いかと本心を話します。
「信長を殺す」衝撃の一言に皆が目を丸くし、「儂は、天下を取る」と断言する家康でした。本能寺の変まであと46日。
『どうする家康』第26話の感想
『どうする家康』第26話の感想考察をご紹介します。

正室と息子を失った後に、信長が安土城に戻る道中のもてなしで海老すくいの舞をやったり、温泉の用意をしてスルーされるなど胸中穏やかじゃない中、よく勤め上げたなと涙を禁じえませんでした。
それまで甘さが残っていても実直な性格をしていたのが、よく歴史などで言われる狸になっていったと納得しました。
そして、信長を討つという本音を家臣に話して終わったのが、今作では家康黒幕説を主体にするのか、またはほかの説を織り交ぜたオリジナルなのかがとても気になった、良い話でした。

この回に至るまでどこかこのドラマの中の家康は頼りない感じがしました。第25話で瀬名と信康の自害でこの回ではすっかり意気消沈をしてしまい、呆けたようになってしまってただ信長に忠誠を誓っているだけの腑抜けた姿に家臣たちは愛想を尽かそうとしていましたが、この回のラストのシーンで天下取りの野望を口にした途端、今までとは別人のようになったように感じました。
ここから家康がどのようにして天下を取るための物語が描かれるのか期待できる回だったと思います。

家康が信長に対してこれまでは少し歯向かう場面があったのに、今回は終始丁重に笑顔さえ見せながら低姿勢に応対してるのを見て本田がイラっとしていることに共感を得た気がします。
しかしそんな低姿勢な家康が最後の最後で仲間に対して信長を殺害すると小声で宣言したのには驚かされたのが今回の放送の一番の意外な場面だったような気がします。
というのはこれまでの大河ドラマでは信長に対して殺害の意思表示をしたのは記憶にないからです。あとは数正がいつのまにかヒゲが生えてたですが、ちょいと年月すぎてイメージ変えすぎだとと言いたくもなりました。

家康が信長を持ち上げているときにでも何か影があり、心の奥底はぼんやりと理解してましたが、最後に信長を殺すと言う場面で、全部のパズルが揃った気がしました。
家康は瀬名と信康が殺された後、物思いにふけ、顔つきも変わり、目つきも変わりました。今後本能寺の変がありますが、家康が黒幕だったという話だったらまたおもしろくなりそです。
そして今後、戦いの少ない世界、天下統一をしていく心の中には瀬名の夢に少しでも近づくためでもあるのかと思わせるような、重要な回でした。家康が覚醒して今後どうなるのか注目したいです。

瀬名と信康が亡くなり、家康は魂が抜けたようで、降伏を申し出た人に対しても優しさがなくなりました。
でも、突然、信長を接待したいと、富士山が見える場所を選び、温泉も用意し、えびすくいの踊りまでやって驚きました。誰もがやりすぎだと呆れ、さすがの信長も家康が何を考えているのか戸惑ったと思います。
家康は、信長を倒すことを心に誓って、従順になって機会を待つことにしたことがわかりました。光秀が張り切っていたのも同じ理由からかもしれません。最後に本能寺までの日数が出たので、いよいよだなと思いました。

今回は武田勢の衰退を見るのが少し辛かったです。勝頼が少数の軍勢を連れて最後に信長関係の軍勢にうち取られた時には複雑な気持ちでした。
しかも織田信長に家康が謁見した時に、明智光秀が彼の首を蹴るなり、いたぶるなり好きにしろと言いますが、その時の家康の心中はどれだけ悲しみに満ちていたのか計り知れないものがあります。
信長を接待する家康の最後の踊り、なぜか泣けて仕方がありませんでした。最高に恨みを持っている信長の前で、自分の心を抑えて踊る姿は白眉でした。

このドラマ全般的にいえることだが、徳川家康が神君と呼ばれるようになってからの徳川家による歴史の記述から一歩踏み出して、これまで主流として扱われなかった資料を使って物語を構成していることにこのドラマの新鮮味がある。
7月9日の回についていえば、瀬名と信康が武田側と通じた責任をとって家康が自害を命じたわけだが、これまでのドラマにおいてはこの場面はあまり時間を割いて描かれたことはなかった。
家康が瀬名や信康を本当はどの様に思っていたのか、信長の命に従っただけなのか、自分で決断して命じたのか。7月9日の回においては、家康が信長の命に従順に従う様を見て家臣たちが「家康が信長の犬になり下がった」と落胆するが、家康の本心は面従腹背で信長の命に従ったように見せているだけ、という描き方がされている。ここから本能寺の変にかけてどのように家康、信長、明智光秀の心の内が描かれていくのか興味津々だ。
最近掘り起こされた新事実では、明智光秀は信長が家康を亡き者にしようとしているのを知り、本能寺の変で信長を誅殺し、家康は事前に聞いていたからこそ伊賀越えで逃げ延びることができた、ということだ。
これはまだ定説となってはいないが、これまでにない興味深い視点だ。ドラマの中の明智光秀は今のところ家康にシンパシーを感じているようには描かれていないが、これからどうなるのかが面白い。

高天神城の岡部元信が降伏し、本多は無益な殺生は不要と言っても、家康は皆殺しにせよと鉄仮面のように感情を失ったように人が変わったのも、瀬名と信康を失ったショックからのようです。
今回は、家康の人格の変貌ぶりを、松本がうまく演じていました。本多は家康が腑抜けになって信長に逆らえないと不満を言いますが、それは家康の演技のようだったようで、信長は明智に、家康が本音を隠すようになったと見抜いたのは、見事な眼力です。そんな家康に、秀吉は信長を恨んでいないかと問いかけても家康は瀬名姫と信康の不行を恥じると言い放つポーカーフェイスが見事です。
天目山の戦いが終わり、信長の前にだされた勝頼の首に、明智が、にくい勝頼の首を蹴るなり踏みつけろと挑発しますが、家康は恨んでいない、死ねば仏になったと言って明智の仕組んだ踏み絵に乗らなかったのは家康の品位を感じます。
家康の説話を集めた「岩淵夜別集」で、家康は密かに勝頼の供養し、勝頼の家臣を自分の家臣に迎え入れ、家康が信玄の軍法を信奉しているのだから自分に奉公せよと言い、史実では、800人の家臣に起請文を書かせたようです。
その点は、信長が勝頼の家臣を受け入れなかったのと対照的で、家康は信長が焼き払った武田の菩提寺の恵林寺を再建しています。その点でも信長と家康の器量の大きさが違うと思います。
家康が、そんな非情な信長を殺すと酒井らに宣言したのも、ありえる話だと思います。
『どうする家康』次回予想
『どうする家康』次回予想をしていきます。
信長からの命によって、瀬名と信康を奪われた形となった家康。あまりの衝撃でありましたが、その後の心の内は決して見せず信長を心から敬う様にしたところに違和感を抱いてしまいました。
そして信長を迎え入れ、いわゆる富士の遊覧を全力で行いましたが全ては信長を殺すため。やはり家康の心根は何も変わらず、大切な人達の為にすべてを懸けていた様ですね。
この後も決して信長には本心を見せず、宴に招かれる事となると思います。そして不可解な忠誠心を見せると思われながらも家康は本能寺の変に向けて動き出すでしょう。
明智がこれを行ったという説が濃いですが、これは恐らく家康が画策し明智のせいにすると思われます。ここから目的のために手段を選ばぬ家康の覇道が始まると予想します。
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